



“アップサイクル”をテーマに、FUTURE GATEWAYがイベント初出展! デザイン×アートの祭典「DESIGNART TOKYO 2022」
“INTO THE EMOTIONS -感動の入口-”をコンセプトにしたデザイン&アートの祭典「DESIGNART TOKYO 2022」。世界中から集まるインテリアやアート、ファッション、テクノロジー、フードといった多彩なジャンルの先進的なクリエイターたちが都内各所でさまざまな展示を行う注目のイベントです。今年は「TOGETHER -融合する好奇⼼-」というテーマを掲げ、都内約100もの会場で総勢300名のクリエイターがそれぞれの作品を発表しています。
この数年間で当たり前だと思っていた常識や枠組みが見直され、あらゆるニュースタンダード、独自のアイデアが生まれています。その最中にいるクリエイターやアーティスト、メーカー、ショップ、ギャラリーといった存在こそが社会を変えていく大きな力を持っているはず。そんな想いのもとで「DESIGNART TOKYO 2022」として、街全体で出会いをつなぐ展覧会を目指しているといいます。
「アップサイクル」をテーマに、FUTURE GATEWAYが初参加

そんな魅力的なイベントに、今年はじめてFUTURE GATEWAYが参加をしました。出展コンセプトに掲げたのは「アップサイクル」です。「つくる責任 つかう責任」が問われる時代において、「DESIGNART TOKYO 2022」のなかでもクリエイティブにおけるサステナビリティは重要なキーワードになっています。そうした想いに共鳴し、今回の出展テーマを「無から無限へ」とし、アップサイクルによって生まれた作品を展示することになりました。
会場では、「ごみを捨てるという概念を捨てる」をテーマに廃材に新しい命を吹き込むFUTURE GATEWAYのプロジェクト「GOMISUTEBA」を筆頭に、当初から「GOMISUTEBA」に関わるt'runner(FUTURE GATEWAYのコミュニティメンバー)の溝端友輔さん率いるNOD、デジタルとフィジカルの境界を横断しながら紙や印刷の新しい価値を生み出すPaper Parade(代表の守田篤史さんはt'runnerとしても活動中)という3つのチームが合同で作品を展示しています。
展示の主役は、卵の殻や砂、コーヒーかす、割れたガラス、使い終えた広告、読み終えた雑誌、古新聞などの身の回りにあるモノたち。一般的にはモノとしても情報としても価値がゼロになった廃棄物が、さまざまな技術で価値のある作品へと生まれ変わりました。
日常で目にする廃棄物に新たな命を

それぞれの作品の背景には、日常で感じていた廃棄物に対する疑問があります。建築・設計を中心に空間デザインや新規事業開発、3Dプリント技術を活用した制作などを手がけるNODにとっての「建築の過程で出てくる廃材」。広告事業にかかわりながら紙や印刷の可能性を探るPaper Paradeにとっての「使われなくなった広告やチラシ」。「こうした日常で触れてきた廃棄物に新しい命を吹き込むことこそ、今回の展示で表現したかったこと」とNODの溝端さんは語ります。

そんな溝端さんが手掛けたのは、都内の建築現場に残されたコンクリートの残渣と洋服の灰から生まれた釉薬(ゆうやく)を用いたプレートやフラワーベース。回収した素材の強度や素材感などにあわせて、どんなアイテムをつくるのかをいつも考えているそうです。

Paper Paradeからは、「余ってしまったチラシ」が細分化されて素材となった石ころのようなアート作品と花器のようなオブジェや、「使われなくなった広告」が素材となったバッグなど、Paper Paradeが得意とする印刷や紙にまつわる技術を結集した作品が並びます。
背景に敷かれている総柄のターポリンもNODと合同で企画し、Paper Paradeが印刷を手がけています。ごみを撮影した写真を宝石のようにデザインすることで、廃棄物の無限の可能性を表現したそうです。


FUTURE GATEWAYのプロジェクト「GOMISUTEBA」からは、NODの溝端さんとともに制作した椅子とランプ、花瓶を展示しています。街中で使われなくなった素材をつなぎ合わせた唯一無二のランプ、戸越銀座商店街で使われなくなった家具を組み合わせた椅子、コーヒーショップで捨てられる豆かすから生まれた花瓶です。

右側のランプの木のパーツをつなぐグレーの部品が3Dプリンタで生まれたもの
それらすべてに「捨てられてしまった日常の素材」が使われているのはもちろんのこと、もう一つの特徴として、3Dスキャニングや3Dプリンタの技術を駆使していることがあげられます。じつは、集まった家具のパーツはそのままでは組み上げることができません。3Dスキャニングによって必要なジョイントモジュールを検討し、3Dプリンタを使って作った精度の高いジョイントモジュールによってそれらの廃材をつなぎ合わせているのです。
「専門的な知識がなくても、誰もが簡単にアップサイクルできる未来を目指して、3D技術を活用しているんです」と溝端さん。今回の会場にも3Dプリンタを設置し、定期的な製作の実演も計画しているそうです。
アップサイクルがもっと身近にあることを知ってほしい

NODの溝端友輔さん
今回の展示を通じて、「アップサイクルが身近にあることを感じてほしい」と溝端さんは話します。「アップサイクルは誰にでもできるもので、それを3Dプリンタのようなテクノロジーで支援していきたいです。アップサイクルで生まれる作品は唯一無二のものなので、『既製品を買う』以外の『自分だけのほしいものをつくる』という可能性にも注目してほしいと思います」。
廃棄物が持つ素材としての無限の可能性が社会に普及すれば、私たちにとってのごみもいつかなくなるのかもしれません。そんな未来のライフスタイルの実現を目指して取り組んだ今回のFUTURE GATEWAYの展示。ぜひ、この機会にご覧ください。
イベント情報
■UPCYCLE CREATORS(DESIGNART TOKYO 2022)
・会場:渋谷スクランブルスクエア 3階イベントスペース「SCRAMBLE THE FACE(スクランブル ザ フェイス)」
・期間:2022年10月21日(金)-10月30日(日)
・営業時間:11:00-19:00
※公式サイトはこちら
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