



GOMISUTEBA
プロジェクト概要
「ごみを捨てるという概念を捨てる」
不要になったもの、使わなくなったものにデザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、そのものの価値を高めて生まれ変わらせる「アップサイクル」活動を一般化し、ごみを捨てるという概念を捨てる、ということを目指しています。
昨今の身近なごみ問題として、マイクロプラスチック問題を起点としたレジ袋有料化は、ごみ問題を身近なものとして認識する契機となりました。ごみ問題では、ごみを減らすという“マイナスをゼロにする”ための生活者一人ひとりの努力が必要なことはもちろんですが、家の中で使われずに眠っている机や、幼いころに使っていて思い入れがあって捨てられない椅子の再利用・再生といった“ゼロをプラスにする”取り組みがもっとあってもよいはずです。
いまは色々なところで使われずに眠っている捨てられて「ごみ」として扱われているものも、他の人が見たらとても気になる「素材」かもしれない。それをつなぐ場所・仕組みが作れないかと考えています。
このプロジェクトでは、いろいろな場所で眠っている不要になったもの、使わなくなったものを3Dデータ化し素材として閲覧できる仕組みや、形の違う素材の組み立てを補助するジョイントモジュール(※1)の考案を通じて、アップサイクルの一般化に取り組みます。
(※1)製造スキルを持たない生活者が部材同士の組み合わせを容易にできるようにするための接続パーツであり、3Dプリンタで製作される。

越境テーマ
・アップサイクルの一般化で、ごみという概念をなくす
プロジェクト詳細
本プロジェクトでは、使われなくなった家具やインテリアなどからアップサイクル家具の製作を実施します。ただし、これまでの検証で次の2つの課題があることがわかりました。
①アップサイクルの素材となる使われなくなった家具・インテリアなどが各地に散在している
②家具・インテリアの製作は素人にとっては難易度が高い
これらの課題を解決するため、本プロジェクトでは、素材となる使われなくなった家具・インテリアなどを3Dデータとしてデジタル化しサイバー空間上に集約し、どこからでもそれらを素材として参照できるようにします。
さらに、それらの素材を組み合わせてアップサイクル家具を容易に製作できるようにするため、ジョイントモジュールの試作を進めます。
RUN RECORD これまでの走行記録
2021年2月 PROJECT KICK OFF
2021年2-3月 アップサイクル事例のリサーチ実施
2021年4-6月 コンセプト&PoCデザイン
2021年7月-10月 PoC実施
2021年10月- 実証実験準備(戸越銀座商店街での不要品回収など)
まずは不要になった家具やインテリアの3Dデータ化とジョイントモジュールを試作し、実フィールドでのアップサイクル実証実施に向けて、設計・仕様策定をしている段階です。2022年度の実証実験開始に向けて、鋭意取り組んでいますので、ご期待ください。引き続き、一緒に「GOMISUTEBA」を盛り上げるコミュニティメンバーを募集しておりますので、お気軽にお申し込みください。
プロジェクト参加メンバーコメント
加藤翼 / 株式会社qutori CEO、株式会社ロフトワークコミュニティデザイナー
「消費社会の転換点にある今、消費の終着点であるごみ捨て場の未来はどうなるだろうか。サステナブル、SDGs。その聞こえは私たちの心を躍らせるものであるか。ごみが生まれるということは、必ず誰かの生産があった証。その証が合わさって辿り着くごみ捨て場は、もっと美しく、ワクワクするような創造の場への変われるはずだ。ごみ捨て場をコミュニティの起点と捉え直し、新しい意味をテクノロジーの力で紡ぎ出す。そんなプロジェクトを『GOMISUTEBA』は目指していきます」
溝端友輔 / 株式会社NOD CEO
「都市を構成する要素の多くは、使い終わった後、廃棄するのが一般的でした。廃棄された資材がまた新しく素材に戻り、循環し続ける都市をつくりたいと思っています。一つの生命の一生が、次の生命の一生につながるように、都市を構成するさまざまな要素がめぐり続ける、そんな次の10年の”当たり前”を。ごみを捨てるという概念自体を捨ててしまうようなプロジェクトになることを期待しております」
澤村俊剛 / 株式会社METRIKA,Inc. 取締役 COO
「『ごみを捨てる』その概念そのものを『捨てる』ことはできないかな?そんな一言がプロジェクトの原点です。大量消費社会からの転換点に生きる僕たちがまず捉えるべきは、捨てられたものの行き着く先=ごみ捨て場だと思いました。終着点だった場所を、始まりの場所としてデザインすることができれば、アップサイクルの輪が回り始めるはず。これまでデジタルやクリエイティブと縁遠かった場所で、いったい何を起こせるか?ワクワクしています」
市橋正太郎 / Address Hopper Inc.代表、WOTA株式会社執行役員、アドレスホッパー
「地方を巡り、地域の方々と対話していると、空き家や不要な家具、衣類など、『活躍の場を失った物=ごみ』をどう扱うかという問題から目を逸らすことはできません。私も茨城にある祖父の家を『循環拠点』として再生する中で、ごみをごみではなく資源としてもう一度活躍してもらうためには、どうすれば良いのかと日々考えています。そういった課題に、最新の技術やクリエイティブの力をインストールし、解決していく。そして、そこから新たな未来の暮らしのあり方が見えてくる。そんなプロジェクトとして『GOMISUTEBA』が発展していくといいな、と思っています」
渡邉慎也 / KDDI総合研究所 コアリサーチャー
「例えば引っ越しで新しく家具を調達するとき、家具屋さんで買う、親戚・友人から譲ってもらう、リサイクルショップで買う、という選択肢があります。そこに加え、アップサイクルで調達するという選択肢がある、そんな未来を目指しています。その未来の実現ため、新しい仕組みや技術の開発・実装・検証を行っていきます」
中尾優真 / KDDI総合研究所 コアリサーチャー
「今までアップサイクルというライフスタイルは主にDIYや工作の能力がある人が中心に実施している面がありました。この『GOMISUTEBA』プロジェクトでは我々KDDI総合研究所や、パートナー企業が持つ技術を組み合わせることで、誰でも簡単にアップサイクルを実施できる基盤を作っていきたいと考えています」
矢崎智基 /KDDI総合研究所 グループリーダー
「『アップサイクル』という、ものを再利用して新しく生まれ変わらせる、という行為は、私たち日本人の暮らしにおいて親和性が高いと思っています。例えば、伝統技法の『金継ぎ』など。現代の『金継ぎ』ともいえるアップサイクルが、私たちの生活の当たり前になることを目指してプロジェクトを推進しています」
関連記事
おすすめ記事

