菅原理之
私のライフスタイルルール

未来社会に向けたさまざまなアクションやライフスタイルを提唱するt'runnerの先進性は日々の暮らしの中でいかに恒常化しているのか？を“ライフスタイルルール”として紹介していく当シリーズ。
今回は、DIYした可動式サウナ「サウナトラック」を使ってサウナの体験拡張に取り組んでいる菅原理之が登場。自身の活動によってコミュニケーションやローカルへの価値づくりを試行し続ける菅原の“ライフスタイルルール”とは？

菅原理之（すがはら・ただゆき）／1981年生まれ。東京都出身。株式会社SUNDAY FUNDAY代表取締役、株式会社らふる取締役。フィンランドサウナアンバサダー。2002年、学生時に誰もが映像発信できる社会をつくることを目指し、NPO法人コミュニティTVを起業。その後、ITコンサルを経て、外資系広告代理店へ。デジタル領域を中心とした広告制作と新規事業立ち上げを担当したのち、2019年に独立し、昭和8年創業の老舗銭湯・小杉湯の経営に参画。2020年、「人生のアソビを増やす」をミッションとした会社、株式会社SUNDAY FUNDAYを創業。
菅原理之のパーソナルインタビュー[MY PERSPECTIVE]はコチラ

t'runner菅原理之のライフスタイルルール

• LIFESTYLE RULE.01
• 流動と固定を行ったり来たりする

• LIFESTYLE RULE.02
• “普通”を見直す

• LIFESTYLE RULE.03
• 楽しいを大切にする

移動式サウナやアウトドアサウナの活動をしていることもあり、ライフスタイルの中で「動く」ということが必然的にとても多くなっています。活動を展開させる・ドライブさせるという意味の「動く」でもありますが、イベントシーズンにもなると、実際物理的に日本中を奔走します。そして各地の仲間と会い、またそこでつながった人たちとの新しい「動き」が生まれます。

普段の僕らの生活って、必ず「住まい」というものがあって、そこをベースに、いわば固定したところで生きているので、だんだんライフスタイルもルーティン化していったりします。その中であえて流動的に自分から動く機会をつくっていくことで、新しい出会いや刺激、プロジェクトが生まれると思っています。あとは、単純に面白いことっていつ舞い込んでくるか分からないので、予定を固定しすぎないというのもあります。計画したものがそのまま進むだけなのはあまり面白みがないなといつも思っているので、あえてちょっと幅を持たせることで、偶発的な要素や遊びのエッセンスを加えることができます。なので、物理的にも時間的にも「流動性が入り込める余地」をいつも持たせていますね。

菅原も参画するFUTURE GATEWAYの「Hoppin’Saunaプロジェクト」を母体とし、アドレスホッパー株式会社・株式会社フェリックス・株式会社NOD・株式会社SUNDAY FUNDAYの4社からなるSAAMOプロジェクトチームが開発したサウナを備えたオフグリッド移動空間「SAAMO（Sauna as a movable oasis）」が完成した（画像：本人提供）

「普通」ってもちろんマジョリティとしての普通という意味もありますが、よく使われる「普通」とか「一般的に」とか「常識的に」って、じつは人それぞれ尺度が違うと思っています。
「これってなんで普通と思われているんだろう」と目線を変えて見ると、別のアクションや選択がたくさん生まれる気がしています。
世の中にはさまざまな制度がつくられ、いったんそれが「普通」とされたりします。でも、その制度も廃止されたり改定されたりとどんどん変わっていきます。つまり、どこかでそこの「普通」に対して問いを立てた人がいるから、制度もっと言えば世の中が変わっていっていると思うんです。そのようなアクションって、制度を変えるとかすごく大きなことじゃなくても、毎日の暮らしの中などで個人レベルで考えたことでも可能だと思います。それが僕たちの生活をつくることにつながるのであれば、普通を見直すことってすごく大事かなと思っています。
見直しって別に特別なことじゃなくて誰だって身近なところからできます。例えば、普通だと思っていつのまにか入り過ぎていたサブスクや保険を見直すとかでもいいんです。それだけでも自分の生活や行動様式が変わると思います。家族間においても、親世代の普通は子供世代の普通ではないからお互いに普通を押し付けないで考えようねとか。そのように、相手を理解しながら普通を考えることって、世の中に対する事象を考えることにもつながると個人的には思っています。さらにはその先の先進的なことを考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

「動きながら生活するってそれこそ普通じゃないと思うんですよね。でも普通を見直すきっかけになったのが、同じt'runnerでHoppin’Saunaプロジェクトを一緒にやっている市橋（正太郎）さんが実践している『アドレスホッピング』という移動型ライフスタイルを知ってからですね」

判断や選択に迷ったときって「儲かる」とか「何かにつながる」とか、もちろんそういう判断基準もあるんですけど、その中でも僕は「楽しいもの」をしっかり選んでいくことがすごく大事だと思っています。
意義があることを選択することもすごく大事なことだと理解はしています。大人なので（笑）。ですが、意義だけではなく、自分が楽しいと感じるものは最終的には自分がつくりたい生活や未来につながるものだと感じているので、「自分がどう楽しいと感じるか」という判断軸を大切にして生きております。

「楽しい」を選ぶことは、先進性にもつながる

なにも大きなプロジェクトなどでなくても、身近なところにも「楽しい」を選択できることは結構ある気がします。例えば、料理1つとっても、楽しくやれる方法と、しんどい方法があったとして、その中でちょっとでも楽しくやれる方法を選んでみるとか。子育てとかでも「勉強をしなさい」、「片付けなさい」っていうよりも、それをうまくゲーム制にしちゃったほうが、楽しい選択肢になったりすると思うんですよね。子どもと一緒に競争しながらやってみたりして、そうしたら親もムキになってやったりして（笑）、そういうことも「楽しいほうを選ぶ」ということなのかなと。

自分の経験則としては、結局楽しそうにしている人のところに人って集まってくるんですよね。
その中で「じつはこっちでもこんなことをやっててね」、「一緒にやらない？」みたいな話に広がっていくんです。そういうつながりが最終的には未来社会にもつながっていくんじゃないかと思っています。また、「楽しい」を選択することは、ルール1でもお話したような「偶発性を生む」みたいな部分においても好作用すると実感値として感じています。